合気道を始めて

自分は、小学校の頃に映画で見たブルース・リーに憧れて以来、格闘技全般が好きで、テレビや本など見て、自分もやりたいと、思うようになり、始めたのが空手でした。寸止めやフルコンタクトも稽古してきましたが、いろいろな事情で空手をやめなければならなくなり、それから10年、38歳になり、やっぱり自分は武道が好きなので何かやれないか?と思うようになりインターネットで研修会のことを知りました。合気道に関しては、なにかの本で力を使わないとか、身体が不自由な方が一生懸命稽古に励み何年か後に、普通に歩けるぐらいまでになったということを読み、自分も空手をやめる原因の一つになった膝の故障も武道をやりながらにして治るのではないかというのがそもそものきっかけでした。

 

見学の時から、稽古に参加させてもらい大変おもしろく感動したのと、みなさんの人柄の良さに惹かれ、すぐ入門させていただきました。そして膝行や、座技など膝に負担のかかる稽古に苦労しながらも(まだ未熟なので、脚に負担をかけている。中心の移動で脚に負担をかけず立ったり座ったりできるようになるらしい)あっという間に9ヶ月が過ぎ、4級の昇級試験を受けさせていただきました。

 

今まで稽古してきて感じたことは「武道を稽古している」と思うことです。合気道を稽古しているうちに今まで私が稽古していた空手の道場は、競技用の練習が主だったことを痛感しました。(たまたま私が稽古していた道場がそうであったので、すべての空手道場という意味ではない、そして競技用の練習を非難している訳でもない。それはそれで得るものも多く大切なことだと思います。)今までは、立つこと、座ることの深い意味などは言われたことはなく、居着くことの悪さなど、武道の基本のどうしてそうなのか、そういう動きなのか、の本当の意味を知らなかったことにショックを受けました。今までの空手の稽古が無駄なわけでもないが、このようなことを知っていれば稽古の仕方、意識のあり方などすごく変わったかと思います。そしてなによりも研修会にきて、稽古に対する恐怖(怪我などの)がなくなったことにびっくりしています。当然武道ですから、その危険がないわけではないですが、山本先生をはじめ、先輩方が相手を痛める事が目的ではなく、相手に気づかれる前に、それをわからないうちに無力化し、反撃できないよう制する事に重点をおき稽古、指導されていだと思います。実際、先生に投げられるとまだ受身の未熟な私でも痛くなく、またどうしてどうやって投げられたかわからず、ただ笑うしかないという感じです。

 

研修会のいいところは、山本先生が、ただ決まった技を教えるだけでなく、どうやったら、より早く、よりシンプルに技がかけられるか、そしてそれをどう説明すれば、稽古生達が理解できるかを非常に考え、山本先生御自身も、教え方もどんどん進化していることだと思います。先輩方もなんの驕りもなく謙虚な方達ばかりで大変話しやすく、丁寧に教えてくれる優しく頼りがいのある人達ばかりです。そんな山本先生やみなさんに支えられて今回4級に昇級させて頂き、本当にありがとうございました。それからも精進を重ね切磋琢磨して稽古に励んでいきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

2002年11月1日

 

(Kー4級記 男性)